英語を習得する唯一の学習法とは?

「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」、以前に英語教材のアンケート結果として当サイトで紹介したことがあります。また本書は英語多読用の洋書ではありません。

すでに「英語の教材」コーナーで紹介し、洋書でもないこの本を当サイト内の「英語多読の洋書」コーナーでもう一度紹介するのには理由があります。

それはこの本が読むということに特化して書かれた本だからです。
英語習得方法として読むことを推奨している本だから、その基本的な考え方は英語多読と変わることはないと思います。ですから読んでいて参考になるのはもちろん、モチベーションもあがってきます。また英語多読の実践という面からも「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」の後半には実際に英語の文章を読む章がもうけられているので、多読に使えます。

この本を読み終えた後には7冊に及ぶ「Big Fat Catシリーズ」という英語の物語があります。この本はその長い物語の序章的なものになります。

これらのことから単なるアンケートの結果としてではなく、英語多読という側面から改めて紹介することにしました。

著者の一人である向山淳子氏は、出版当時の2001年、英文学科の教授として大学で学生さんたちに英語を教えている方です。がなかなか破天荒な経歴の持ち主で、本書「はじめに」を読むと今の旦那さんと結婚するために1962年に単身で渡米し、20年以上もアメリカで暮らし、働きながら勉強をして大学院を卒業したことなどが書かれています。今の時代ならともかく1962年といえば半世紀も前になりますので、当時としては、先進的な思い切りのよい、いわゆるお転婆な女性だったのかなと想像してしまいます。

英語多読のモチベーションにつながる

そんな素敵な向山淳子氏ですが、第1章内「唯一の学習法」の冒頭に次のように書かれています。

英語はとにかく、まず「読む」ことです。

これから多読を始める人にとっても多読を始めたばかりの人にとっても力を与えてくれる言葉ではないでしょうか。
この他にも「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」の第1章で著者の向山淳子氏(向山貴彦氏)はこう書いています。

 本来、英語を学ぶのに必要な「文法」はその程度の、読み始めるまでの「基本の基本」だけです。辞書のような厚さの教本や、果てしなく続く単語帳は必要ありません。
 あとはただ読み続けていくだけです。ほかは必ず自然に身に付いてきます。
 英語ネイティブの国の人たちはみんなこうして英語を身に付けています。日本人も同じ方法で日本語を身に付けます。これが唯一にして最高の言語の習得法であって、ほかに選択肢はないと、わたしは信じています。

どうですか!元気がもらえる言葉ではないでしょうか。これからもガンガン多読しましょう。

「最初の一冊の本をあなたが選び、読み始める」までのお手伝い

この本に書かれている通り「最初の一冊の本をあなたが選び、読み始める」までのお手伝いをしてくれる本です。洋書をたくさん読むことを推奨している本ですから、読むために必要な英語の基本的なルール(文法)を前半で教えてくれます。後半は前半に学んだことを使って実際に英文を読んでいきます。

最低3回は読み直す

タイトルには世界一簡単な英語の本とありますが、後半の実践の部分、SSS書評検索システムによると、総語数:約1,700語そして読みやさすレベル(YL)1.9とそんなに簡単ではありません。当然この本自体1回で身に付くようなものではなく、本の中にも1回目、2回目、3回目〜5回目と回数に応じた読む際に注意すべき点が書かれている箇所があることから著者の意図としては5回以上読むことをオススメしているものと考えられます。

本書でも3〜4回読んでから、洋書屋さんへといったようなことも書かれています。ですから最初むずかしくても、5回でも6回でも読んでいくうちになんとなくわかるようになるではないでしょうか。

「ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本」


【あらすじなど】
2015年4月3日現在Kindle版はでていませんが、紙の本でも中古なら、よりお手頃な価格で販売されています。
ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本
著者は英語を世界で一番簡単な言語といいます。一方難しい言語の例として日本語をあげ、この難しい言語である日本語を習得できたのだから英語が習得できない訳はないと読者を勇気づけます。本書の「はじめに」と「第一章」ではとにかくポジティブに英語の習得について語られる箇所が多く、やる気にさせてくれます。

本書の内容は前述のとおり、基本的に2部校正。前半で英語を読むための基本的なルールを学びます。後半では英文をみて実際に読む練習をしていきます。

~Contents~
準備編
 第一章 準備運動
練習編1
 第二章 基本形
 第三章 付録
 第四章 箱と矢印
練習編2
 第五章 化粧品と化粧文
 第六章 区切り
 第七章 イコール文
 第八章 カスタムアレンジ
実践編
 第九章 文章を読む
 第十章 パラグラフを読む
 第十一章 物語を読む
応用編
 第十二章 特別な化粧品
 第十三章 接着剤

前半で英語を読むための簡単なルールを学ぶ

最も基本的な英文の型として「箱→箱」(左の箱に主役が、右の箱に脇役が入り、→は主役が脇役にどのような影響を与えるか)といったことをかわいいイラストと図をつかって丁寧に説明してくれます。箱を使った説明がなんとなくプログラムっぽい(私はプログラムのこことはわかりませんが、よく技術者から変数=「何でもはいる箱」として説明されます)

基本文のうしろにうしろにくっついてくる付録(時、場所、どのようにを説明するもの)、さらに役者(主役・脇役)に彩りを与える化粧品・化粧文(「太った」といった一語が化粧品、化粧文は「醜い笑みを浮かべた」といったように文章になっているもの)の説明があります。さらに英文の型に合わせ文を適切に区切ることを学びます。

ちなみに本書では学校で習うような文法用語はでてきません。ですからSV、SVC、SVO、SVOO、SVOCの基本5文型といった言葉ももちろんでてきません。が8章のカスタムアレンジまで進めば、この辺りもすべて網羅されています。

後半の物語で「英語を読む」を実践する

実践編の始まり第九章では文を読むことからはじまります。一つの文ごとにそれぞれの英語の型に会わせた色分けがされていて、簡単な解説があります。
また、難しい単語にはルビで訳が振られています。

続いて第十章でいくつかの文のかたまりであるパラグラフを読みます。最初は、型による色分けや解説はなしで、まず自分で読みます。つぎに一文ずつ型による色分けと簡単な解説があります。ですから最低でも二度同じ文を読むことになります。

第十一章でいよいよ物語を読むことになります。基本的にはパラグラフと同様に最初は一部ルビで訳が振ってあるだけで、型による色分けや解説はありません。このような箇所はまさに多読に使えます。つぎに一文ずつ型による色分けと簡単な解説があるのも同じです。こちらは多読に対して精読というかたちになると思います。

物語は2つあります。
一つは「THE BIG FAT CAT」シリーズの序章にあたる物語の始まりです。実際には実践編の第十章「パラグラフを読む」から序章は始まっています・・・。
舞台はEvervilleという町、主人公はEDという青年とBIG FAT CATという猫。EDは小さな焼き菓子屋「Pie Haven」のオーナー、作るのも売るのも全部一人でお店を切り盛りしています。彼の心配事は、BIG FAT CAT。この猫はEDのパイが大好きで、今日もパイを盗んでいきます。

あるとき、またしてもBIG FAT CATがパイを盗みにやってきます、待ち構えていたEDはフライパンをBIG FAT CATに投げつけます・・・が、はずれてしまい、ドアのガラスが割れてしまいます。

これが結果的にEDに勝利をもたらすことになるのですが、結局ふたりは・・・。
物語はシリーズ第一弾「Big Fat Cat and The MUSTARD PIE」に続きます。

「THE RED BOOK」
こちらは読み切りのホラー。話の内容はEDとBig Fat Catとは関係ないのですが舞台は同じくEvervilleです。もしかすると「Big Fat Cat and The MUSTARD PIE」にも少し関係があったりするかもしれません。

よくある話ですが短い物語でなかなかよく出来ています。読みやすさレベル(YL)1とこの語数を考えると、そんなに出会える面白さではないです。内容も児童書的なものではなく大人が読んでも楽しめるホラーだとおもいます。この語数で大人を対象にした洋書には、残念なものが多いなか、これはまずまず面白いと思います。

もう一人の著者である向山貴彦氏による物語だと思いますが、さすがです。小説を幾つか出されているようで、そちらも読んでみたいと思いました。
向山貴彦氏による小説
童話物語〈上〉大きなお話の始まり (幻冬舎文庫)
ほたるの群れ1 第一話 集: 1 (幻冬舎文庫)
ってほたるの群れ一巻はKindleなら100円ですね、さっそく買ってみたので、後で読みます。

■スペック
読みやすさレベル(YL):1.9(平均)
※SSS書評検索システムより
シリーズ:Big Fat Cat(ビッグ・ファット・キャット)
総語数:約1,700語
価格:1,404円(Amazon)
※2015年4月3日現在Amazonでの販売価格
Kindle版はでていませんが、中古で比較的お手頃な価格で販売されています。
ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本

関連記事
ビッグ・ファット・キャットとマスタードパイ「Big Fat Cat and The MUSTARD PIE」
ビッグ・ファット・キャット、街へ行く「Big Fat Cat GOES TO TWON」


シリーズですすめる英語多読「Big Fat Cat」