こんにちは
今日はジョン・バーニンガム(John Burningham)著『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』を紹介したいと思います。

現代絵本作家の巨匠ジョン・バーニンガム(John Burningham)

この本の作者は、1936年生まれイギリスの絵本作家ジョン・バーニンガム(John Burningham)さん。
デビュー作の絵本『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞し、以降も数々の絵本の賞を受賞しているとても有名な絵本作家さんです。

日本でもたくさん翻訳されたものが出版されているのでご存知の人も多いでしょう。

そのほか、007シリーズの原作者で知られるイアン・フレミングが著した童話『Chitty-Chitty-Bang-Bang』のイラストやカーバーデザインを手がけたことでも有名です。日本だとチキチキバンバンって言いますけど、原題は『Chitty-Chitty-Bang-Bang』なんですね。

昨年の2015年に新作『John Burningham’s Champagne』が出版されていますので、いまも現役で書いていらっしゃるのかもしれません。

子どもに読み聞かせているわれわれ大人に向けて書かれた絵本

この絵本は、絵本なのに子どもではなく大人たちに向けられたメッセージだと思います。ですから子どもたちがこの本を読んで楽しめるかどうかはよくわかりません。

でも大人なら、特に子育てをしているママさんパパさんなら、響くものがあるのではないでしょうか。
子どもはわれわれ大人の写し鏡、なのかどうかはわかりません。でもわれわれの一言が子どもたちに与える影響は計り知れないものがあって、子どもたちを相手にするときは良い言葉を使い、導いていくというのも大人の大切な責任の一つということを教えてくれます。

そんなことを考えて自分を振り返えりながらこの本を読んだとき、つらい感情がこみあげてきました。忘れたいけど、決して忘れてはいけない、苦い思い出をさらに刻みつけてくるような、読んでいて少し息苦しくなるような気持ちになりました。

それは、感情に任せて子どもを叱りつけたあとのどうしようもなく、情けない気持ち。二度と味わいたくないあの後味の悪さ。そして、じっとわたしを見つめて泣きながら困ったような表情をする子ども。

ああ、つらい、こんな辛いことを思いだしながら読みました。

つらい思い出ですが、同時に子どもを育てているだけでなく、自分も育てられていること、子どもを助けているのではなく自分が助けられていることを知ることができました。子どもに対する感謝、そして彼らに対しても謙虚であれ、と改めて考えさせてくれる絵本でした。

これからも、自戒のためにたまに読むことになるのかもしれません。

Edwardo the Horriblest Boy in the Whole Wide World

当サイトでは主に英語の本をたくさん読むという英語多読について書いていますので、『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』の原作『Edwardo the Horriblest Boy in the Whole Wide World』について紹介します。

SSSの読みやすさレベルを調べましたがこの絵本はまだ登録されていないようでした。

でも簡単な英語で書かれています。わたしの感覚では読みやすさレベルYL1前後だと思います。

子どもたちの心育てると同時に言語の取得を助けるという役目を担う絵本。ですから大切な表現がなんども繰り返されます。言語習得も反復の賜物ということになるのでしょうか。

とにかく、同じ表現が繰り返されますし、絵もたくさんあるので理解の助けになります。

そして英語多読の気楽さは、一語一句、日本に訳したりせずに大意をつかんでいくことです。

細かなことあまり気せずにペラペラと絵本をめくっていけばだいたいの内容はわかるものです。

読む前に抑えておきたい単語

とはいえ、絵本といえども、ネイティヴの読み物。ときに難しい単語もでてきます。このあたりが英語を母国語としない英語学習者向けに書かれたGraded Readers(グレイデッド・リーダーズ)とは違うところですね。

これらの単語を知っていれば、より正確に内容を理解する助けになると思われる単語をいくつか拾っておきました。

bully:いじめっ子
tidy:こぎれいな
messier(messyの比較級):きたない、だらしない
muddy:泥んこの

あらすじ

大人たちの言葉が呪文のように一人の男の子の変えていくというお話です。

主人公は、普通の男のエドワルド(Edwardo)。
ときには、ものを蹴ってしまうこともあります。誰にでもありますよね。
でもそれを見た大人が言います。
「お前は、いつもものを蹴っているな、お前は世界でいちばんの乱暴な男の子だ」と。
それを聞いたエドワルド(Edwardo)はますます乱暴になります。

ほとんどの子どもがそうであるようにエドワルド(Edwardo)も騒がしい音を立てることがあります。
でもそれを見た大人が言います。
「お前は世界でいちばん騒がしい男の子だと」と。
それを聞いたエドワルドはますます騒がしくなります。

ときに子どもなら誰もがするような行為。それをいちいち注意する大人たち。
こんなふうに注意されることが繰り返されていくうちに、エドワルドはついに大人たちから「本当にせかいでいちばんおぞましいおとこのこ」と呼ばれるようになってしまいます。

実際に言葉には力があるのでしょう。大人たちがかけた言葉が現実になってしまったのです。

「せかいでいちばんおぞましいおとこのこ」になってしまったエドワルド。どうなってしまうのでしょうか?

大人に子どもたちへの接し方について考えさせてくれるとても大切な絵本の一つです。

『Edwardo the Horriblest Boy in the Whole Wide World』のスペック


読みやすさレベル(YL):1.0前後
※SSSで見つからなかったのでわたしの感想です
価格:1,000円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格

『エドワルド―せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』


価格:1,512円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格

ジョン・バーニンガムのオススメの絵本

『いつもちこくのおとこのこ―ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』


内容(「BOOK」データベースより)
「せんせい、ぼくがちこくしたのはとちゅうで、ワニとライオンとたかしおにおそわれたせいなんです…。」ジョン・バーニンガムと谷川俊太郎のコンビでおくる、心すきとおる絵本。小学初級以上。

価格:756円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格

日本語版価格:1,620円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格

『ねえ、どれがいい?』


内容(「BOOK」データベースより)
「ねえ、どれがいい?」と聞きながら、つぎつぎ出されてくるのは、とんでもない選択ばかり。子どもたちは「どれもイヤ」といいながら、大喜びであれやこれやなやみます。長いあいだ愛されつづけてきたベストセラー絵本の改訳新版。

価格:988円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格

日本語版価格:1,620円
※2016年7月7日現在Amazonでの販売価格